胸のたるみの改善法を専門家が徹底解説!アラフォー以降の”垂れ乳”を復活させるにはどうすればいい?

胸のたるみの改善法を専門家が徹底解説!アラフォー以降の”垂れ乳”を復活させるにはどうすればいい?

美しくハリのあるバストは、年齢問わず女性にとって憧れですよね。けれども若い頃はハリのあったバストが、年齢を重ねると共に垂れてきてしまった……という悩みを持つ方も多いのではないでしょうか? 

現在38歳の筆者は子どもが4人いるのですが、妊娠・出産を繰り返すうち、独身時代とは明らかに体のラインが変わってきたことを実感しています。特に産後、完全母乳×4の授乳を完走したバストは役目を果たし終えた達成感(?)で大きくサイズダウンし、形もやや垂れ気味に……。 

何とか昔の若々しさを取り戻したい!何か方法はないものか!ということで、強力な助っ人となる専門家の方々に取材してまいりました。まずは胸が垂れる原因から、たるんだバストを引き締めるための宅トレやヨガのご紹介、思い切って豊胸手術を検討する際の美容整形についてなど微に入り細に入り徹底調査。 

さらに、最後にしぼんだバストをカバーする、楽ちんでホールド感のあるノンワイヤーブラのご紹介もありますので、どうぞ最後までお付き合いください!  

 

    1. 胸が垂れる原因とは? 

    胸が垂れてしまう状態、通称「垂れ乳」の主な原因は大きく分けて5つあります。

    • 加齢
    • 妊娠・出産
    • ダイエットや運動不足
    •  ノーブラ、サイズの合わないブラジャーの着用
    • 生活習慣

     順番に説明していきます。 

    1-1. 加齢による影響 

    女性の加齢による体型変化については、約45年にわたって研究を続けてこられたワコール人間科学研究開発センターに詳しい変化が掲載されています。 


    参考) 
    ワコール人間科学研究センター 

    https://www.wacoal.jp/hsrc/publication/2010/index.html 

     

    このように、加齢によるバストの変化はほぼ全員同じ経過を辿っています。20代から少しずつ変化を感じ始める人もいれば、出産を経て、アラフォーになって、などのきっかけで下垂が始まる人もいます。 

     そもそも、胸は乳腺と呼ばれる母乳を作る組織と脂肪で成り立っており、割合は乳腺1割、脂肪9割です。それが加齢によるホルモンバランスの変化によって皮膚表面の弾力性・柔軟性が低下し、バストを支える力が弱くなるというわけですね。 

     

    1-2. 妊娠・出産による変化 

    次に、妊娠・出産による体の変化があげられます。妊娠中〜授乳期にかけてバストはかなりサイズアップする(著者も2サイズくらい上がりました)のですが、それが終わった後はみるみるうちにしぼんでいきます。 

    結果「昔のハリはどこいった!?」と言わんばかりの変わり果てた姿に……。 

    これは、胸を支える「クーバー靭帯」が伸びたり切れたりしてしまう影響です。


    参考) 

    https://www.nubra.jp/nubra-communication/onayami/sango/ 

    このクーパー靭帯、なんと一度伸びてしまうと元に戻ることはありません。そのため妊娠〜授乳期も意識してしっかりブラで支えてあげる必要があるんです。もっと早く知りたかったよ……。 

     

    1-3. ダイエットや運動不足による影響 

    よく「ダイエットで一番最初に減るのは胸!」といいますが、胸はほとんど脂肪で出来ているので、ダイエットのために運動して全身の脂肪が減ると、当然胸の脂肪も減ってしまいます。「3ヶ月で10キロ落ちた〜♪」などと急激なダイエット成功で喜んでいたら、落ちたのはバストのサイズだったりして・・・(恐怖)。 

     

    太ももとお腹の脂肪を先に減らしたい!できれば胸は維持の方向で!が叶えば最高ですが、なかなか難しいのが現実です。 

     

    1-4. ノーブラ、サイズの合わないブラジャーの着用 

    夏に「お風呂のあとは面倒だしノーブラでいいや」とTシャツを着がちなあなた!待ってください! 

    バストは重力による影響を受けるため、ノーブラの状態が長く続くとバストが垂れる原因になります。日中はもちろん、就寝中も寝返り等で胸が左右様々な方向に流れやすいので、入浴中以外はシーンに合わせたブラジャーを着用した方が垂れにくくなります。(運動中はスポーツブラ、就寝中はナイトブラなど) 

    また、サイズの合わないブラジャーを着けているとバストをしっかり支えられないため、下垂に繋がる可能性があります。年齢によって体型の変化もありますので「あれ、これって何年前に買ったっけ?」「前と同じサイズだろうしまぁいっか」と曖昧なままレギュラーブラを使い続けていると、後々後悔することになるかも……! 

     

    1-5. 生活習慣の影響 

    普段からパソコン作業が多く、ネコ背になりがちな方。リモートワークで長時間イスに座りっぱなしな方(わたし)。首や背中に負担がかかっていませんか? 

    背骨が丸まって肩が落ちてしまうと、お腹ポッコリの原因になったり、垂れ乳の原因にもなりやすくなります。何より姿勢が悪いということは、胸のトップが下向きになっているということ。 

    垂れ乳予防には、正しい姿勢の意識が不可欠ですね。 

     

    2. たるんだ胸を引き締めるための筋トレ方法 

    ここからは垂れてしまった胸を元に戻すことはできるのか、様々なジャンルの専門家にお聞きしていきたいと思います。まず最初に「筋トレで胸のたるみを解消することは可能?」をテーマに、REVIAS(レヴィアス)調布店店長の高橋広和さん、トレーナーの玉那覇紗妃さんにお話をお聞きしました。

    高橋広和(たかはし・ひろかず)さん


    <プロフィール> 

    1994年生まれの28歳。REVIAS調布・三鷹スタジオ店長。大手パーソナルジムにて年間1,500本以上のパーソナルトレーニングを担当。これまで担当したセッション数は1万を超える。自身も18年ベストボディ・ジャパン山梨大会優勝、日本大会出場などの経歴を持つ。ダイエットインストラクター1級・NSCA-CPT認定パーソナルトレーナー。 

    玉那覇 紗妃(たまなは・さき)さん 

    <プロフィール> 

    1998年生まれの25歳。沖縄県出身。中・高は薙刀一筋で全国3位、高校で九州大会優勝、インターハイ5位の成績を収める。上京して働いたジムがきっかけでトレーニングの魅力にハマり、トレーナーを目指して猛勉強。昨年からパーソナルトレーナーとして現職。NSCA-CPT認定パーソナルトレーナー。 


    2-1. 垂れた胸を戻すには○○筋と○○筋が大事 

    由良
    いきなり本題を聞いちゃうんですが、ズバリたるんだ胸って筋トレで元に戻せるんでしょうか? 

     

    高橋
    戻せるかどうかで言うと、可能だと思います。胸の筋肉といえば、まず「大胸筋」を想像される方が多いと思うのですが、それだけではなくて背中の「背筋」も重要になってくるんです。 

     

    というのも、バストダウンされる方の多くに「姿勢が悪い」という特徴があるから。最近はコロナでリモートワークが増え、デスクワークが長時間続くとどうしても猫背になったり、巻き肩になってしまいますよね。そうすると、自然とバストも下向きになり胸のたるみに繋がります。 

     

    由良 
    確かに1日中パソコンの前にいると猫背になりやすいですね……。 

     

    高橋
    それを改善するには、胸の前と後ろの筋肉を両方鍛えることが重要です。背中の筋肉をつけて姿勢を元に戻せば、胸が上がってバストトップが前を向く。同時に大胸筋を鍛えて張りを出せば、相乗効果でより胸をキレイに見せることができます。 

     

    由良
    なるほど、バストラインをキレイに保つには大胸筋と背筋、どっちも大切なんですね。 

     

    高橋
    はい!今日は主にその2つを鍛えられる、普段あまり運動をしない方も手軽にできるストレッチと筋トレを紹介していきます。 

     

    2-2. バストにハリを取り戻すための筋トレとは? 

    高橋
    筋トレを始める前に、まずはウォームアップとしてタオル一本あればできるストレッチをご紹介しますね。 

     

    ●用意するもの 

    ・フェイスタオル(70〜80センチ幅 

    STEP1:「準備体操」 

    高橋
    まずは両手でタオルの両端を持ち、そのまま腕を上に上げてください。 



    次に少しずつ肘を曲げ、タオルを頭の後ろに下げるように、下におろしていきます。


    これはタオルを使った「ラットプルダウン」という準備運動です。ご自宅にあるフェイスタオル(素材は何でもOK)1本あればできる簡単なストレッチで、筋トレを行う前に背中の筋肉をほぐす意味でもぜひやっていただきたい動きです。 

     

    由良
    回数はどのくらいやればOKですか? 

     

    高橋
    目安として20回×3セットくらいですね。普段デスクワークで猫背になりがちな方に特におすすめですよ!

      

    STEP2:「デコルテラインのトレーニング(宅トレ)」 

    高橋 
    では次にご自宅でできるデコルテラインのトレーニングです。大胸筋を鍛えるといえば、やはり腕立て伏せですね。 

     

    由良 
    (腕立てか……苦手なんだよな……) 

     

    高橋
    ただアラフォー以降の女性でバリバリ腕立て伏せができるという方はほとんどいらっしゃらないので、ここでは「膝付き腕立て伏せ」をご紹介します。 

     

    由良 
    おお、それならできそうです!! 

     

    高橋
    はい!やり方としては、まず膝をついて腕を肩幅くらいに開く。足首はそのまま真っすぐでもOKですが、組んだ方が強度が上がります。こんな感じですね。 

     

    その時にポイントなのが、肩から膝までをまっすぐにすること。お尻を上げすぎたりお腹が下がりすぎたりすると強度が落ちるので、床と体の角度を45度くらいに意識するときちんと負荷がかかってGOODです。
     

     

    また、手の位置を肩より手のひら1枚分くらい前に出すのもポイントです。 

    そうするとそのまま下に腕を曲げ、顔と床が20センチくらいになるまで下げていき、また上げていく。 

    フィニッシュポジションはこのくらい。これを10回3セットくらい続けてみましょう! 

     

    STEP3:「背中のトレーニング(宅トレ)」 

    高橋
    次に背中のトレーニング、タオルを使った「バックエクステンション」です。これはちょっと難易度が高いので、中上級者向けですかもしれませんが、一緒にやってみましょう! 

     

    まずは、マットの上にあお向けになり、準備運動で使ったタオルを両手に持ちます。そのまま腕を上にあげ、タオルを握ったままバンザイのようなポーズをとってください。 

     次に、腕をそのまま上にあげ、背中の方に回します。 

    こんな感じ!背中がコリ固まってる人には難しいかもしれませんが、筋肉がほぐれてくるとうまくできますよ。大体10回×3セットくらいできるといいですね。 

     

    STEP4:「デコルテのトレーニング(ジムトレ)」 

    最後に、ジムに通っている方にもおすすめのデコルテ周りを鍛える「ダンベルプレス」というトレーニングをご紹介します。 

     

    文字通りダンベルを持って行うのですが、まずベットくらいの高さの場所に仰向けになり、両腕をまっすぐ肩の位置にあげます。 



    そこからゆっくりと腕を下におろしてください。

    肩甲骨にダンベルがつくくらいまで下ろせるといいですね。これを繰り返します。 

     

    由良 
    ダンベルを両手に持って高く上げるのがスタートポジションですね!

    高橋 
    はい、回数は大体15回3セットくらいできると良いでしょう。ダンベルの重さは、15回やってみてギリギリこなせるくらいの重さがベストです。40代以降の女性ですと4,5キロくらいが目安だと思います。もし重いと感じたら2キロくらいからスタートしてください。 

     

    ポイントは、胸をしっかり張ること腕をあげた時に腰を反り過ぎないこと腕を下ろす時に息を吸って上げる時に吐くことの3点です。腕を下ろす時にスーーーッと息を吸うと、大胸筋がよく開いて効果的です。 

     

    女性なら重い重量を上げることよりしっかり15回という回数をこなすことを意識してみてくださいね。 

     

    2-3. バストアップに筋トレをする女性たちに伝えたいこと 

    高橋
    ジムに行く行かないは別にして、普段から運動習慣をつけておくことの大切さはやはりお伝えしたいですね。キレイへの道も一歩からなので、まずは3ヶ月!1日5分でも10分でもコツコツ継続していただきたいなと思います。 

     

    玉那覇
    わたしはまだ20代ですが、担当するお客様の中でも「年をとって胸の辺りが貧相になっちゃって……」とお悩みになる方は多いんです。まずは自宅でできるトレーニングを始めてみて、体力がついてきたらジムに通ってみたり、無理のない範囲で運動習慣を身に着けてもらいたいなと思いますね。 

     

    由良
    高橋さん、玉那覇さん、ありがとうございました! 

     

    ■お2人がパーソナルトレーナーとして勤務されているジム 

    ・REVIAS調布店 

     

    3. 1日5分でOK!目指せ、ヨガでバストアップ!

    自宅でも気軽に楽しめることから女性に人気のヨガですが、健康に良い、ストレス解消などに加えて、垂れた胸を引き締める効果もあることをご存知でしょうか?

     

    今回はモデル・ヨガ講師の小林眞琴さんに、ご自身が感じるヨガの効果や、未経験の人でもできる初心者向けヨガポーズ、中・上級者向けの柔軟性の高い動きを教えていただきました。ヨガで胸の筋肉を鍛えたいという方、必読です! 

     

    小林 眞琴(こばやし・まこと)さん 


    <プロフィール> 

    1989年生まれ。フリーモデル、ヨガ講師。10代の頃からモデル、タレント活動を始め、テレビやCMに多数出演。産前から続けるヨガを本格的に学び、現在は都内スタジオでヨガ講師を勤める。モデルの経験を生かしたヨガポージングやウォーキングのレッスンも好評。インストラクター歴9年。

     

    3-1. ヨガの効果とは? 

    由良 
    「ヨガ」といえばヘルシー、健康的、リフレッシュなど様々なイメージがありますが、これまで興味はあっても一度もやったことがなくて……。ヨガには一体どんな効果があるのでしょうか? 

     

    小林
    ヨガでは心と体は切り離せないものと考えるので、フィジカル面とメンタル面、それぞれの効果をお話ししますね。 

     

    まずフィジカル面では、様々なポーズを行うことで柔軟性が向上します。



    毎日ストレッチを欠かさない人は問題ないかもしれませんが、普段あまり運動をしない人だと筋肉は年齢とともに固くなるのが一般的。ヨガは色んなポーズがあるので運動に苦手意識がある方や、高齢者の方もチャレンジできます。柔軟性が高まると、怪我をしにくくなるメリットもありますしね。 

     

    他にも体幹強化・姿勢改善・むくみや冷えの解消など様々な効果があります。特にモデル業はポージングやウォーキングなど体を使って表現する仕事なので、そこでもヨガの効果を実感しています。 

    一度や二度ではなかなか効果を感じにくくても、数ヶ月〜1年ほど続けることで体の歪みが解消されたり、スタイルも目に見えて変わってきますよ。 

    次にメンタル面では、精神的な安定が大きな効果です。

     


    呼吸を整えて精神統一しながらヨガの動きをすることでとてもリラックスできますし、これから年齢を重ねて更年期などメンタルが不安定になる時期も心の安定のためずっと続けていきたいと思っています。
     

     

    由良
    周囲でもヨガをやっているママはスタイルが良くて生き生きしている人が多いです!ヨガは心身ともに良い影響があるんですね。 

     

    小林
    はい!わたしは29歳で出産したのですが、産後に体重は戻ったもののやはり体型の変化はあって……。そんな時、ヨガを続けていたおかげで徐々に体のラインを元に戻せたので、あぁやっていて良かったなと思いました。 

      

    3-2. 垂れた胸をヨガで復活!1日5分でできるヨガポーズとは? 

    由良

    今回「垂れた胸をヨガで復活できる?」というテーマでして、ズバリ、ヨガで垂れた胸を元に戻すことって可能なのでしょうか? 

     

    小林
    はい、ヨガで全身を動かすことで姿勢の歪みを解消し、衰えた胸の筋肉を鍛え、胸を上向きにすることはできます。胸の前の筋肉、いわゆる大胸筋と背中の背筋を鍛えるポーズはたくさんあるので、いくつか絞ってご説明しますね。 

     

    初級編

     

    1. プランク 

    小林
    まず最初に初級編として、プランクをご紹介します。 


    これは筋トレでおなじみのポーズなのでご存知の方も多いと思うのですが、両手を肩幅の広さに開いて床に手をつき、頭からかかとまでが真っ直ぐになるように姿勢を保ちます。その間、呼吸は止めないことがポイント。 

     

    プランクの目的は体幹の強化なので、腰が上がったり下がったりせず、体をまっすぐに保つことを意識してください。両手でしっかり床をプッシュして、脇を締めて胸を挟み込むようにそのまま30秒ほどキープ→休憩→30秒キープを1〜2回繰り返します。 

     

    2. アップドッグ 

    小林
    続いてアップドッグ」です。 


    うつ伏せになり、両手は胸の横に置きます。息を吐きながら手と足の甲だけを床につけ、上半身を起こします。視線はまっすぐ前を見ましょう。その時、お腹の力をしっかり入れて、足のつけ根から胸までしっかり伸びを感じます。 

     

    アップドッグでは背筋を鍛えることが目的です。胸の前だけでなく後ろの筋肉も鍛えることで、正しい姿勢をキープできるんです。 

     

    . ダウンドッグ 

    小林
    3つ目は「ダウンドッグ」です。 


    「下向きの犬のポーズ」などと呼ばれることもあるポーズですが、これで肩・背中・足と全身を大きく動かせます。よくダウンドッグというと、両手両足を床につけてお尻を高く上げ、三角形のようなポーズをイメージする方がいますが、結構難易度が高めですよね。 

     

    それよりも、脇を床へ近づけていく意識で二の腕と脇を伸ばすことが大切です。 

     

    由良
    膝は曲げてもOKなんですね、安心しました!(←体が硬い) 

     

    小林
    はい!ダウンドッグはほぼ全てのヨガ教室で実践すると言っていいほど有名なポーズで、手足でバランスを取ることで全身のあらゆる部分を伸ばすことができるので、ぜひチャレンジしていただきたいですね。 

     

    4. ヒトデのポーズ 

    小林
    次に、ヒトデのポーズをご紹介します。 


    一見すると手を伸ばして片足立ちするだけなので、先の2つよりハードルが低く感じましたでしょうか?両腕を横に伸ばし、足は片足立ちでバランスをとりながら胸を開きます。横から見るとこんな感じですね。 

    由良
    おお、結構腕を後ろに引く感じですなんですね!片足で立ちながらだとバランスが難しい……。 

     

    小林
    はい、その時は鼻からゆっくり息を吸いながら、肩甲骨をギュッと寄せてキープを目指してください。 

     

    5. テーブルのポーズ 

    小林 

    どんどんいきましょう!続いてはこちら、「テーブルのポーズ」です。  


    両膝を立てた状態で座り、手をお尻の後ろの床につきます。この時、指先はお尻の方へ向けてください。 

    その後、息をゆっくり吸いながらお尻を床から浮かせる→息を吐きながら下ろすを10〜15セットくらい行ってください。体幹、二の腕、お尻、太ももが効率的に鍛えられますよ。 

     

    6. 魚のポーズ  

    小林
    初級編ラストはこちら、「魚のポーズ」です。 

    これまでご紹介した初級編の中では少しレベルが高くなりますが、頑張ってみましょう!まずは仰向けになり、足を揃えて伸ばします。次に手のひらを下に向けてお尻の下に入れます。肩甲骨を寄せるように、両腕を伸ばしたまま近づけ、息を吸いながら胸を天井に向けて持ち上げます。 

     

    腕で床を押すようにして体を支え、ゆっくりと呼吸してください。戻る時は、ポーズを取る時と逆の順番で戻っていきます。 

     

    魚のポーズは、胸を開くことで首、肩のこり解消、新陳代謝促進などに効果的です。 

     

    ■中・上級編 

    1. ワイルドシング 


    小林
    次は、既にヨガを習ったことがある、自宅で習慣的にやっているなど経験者の方向け(中・上級編)ポーズをご紹介します。 

     

    最初はこちら、「ワイルドシング」です。 

    由良
    すごい、キレイなカーブですね!全身くまなく伸びてる! 

     

    小林
    これは体を大きく反らせ、片手で体重を支えるだけでなく、ねじりの要素が加わっているのがポイントです。単に腕だけで支えたり、胸や腰が落ちて横向きになっていると苦しいだけなので、手と足の両方で体を強く支えてください。 

     

    やり方は、まず右手と右足の外側を床についてサイドプランク状態になってから、左足を後ろの床につき、しっかりと上から踏み込んでください。次に、左手を頭上に伸ばし、胸と腰を左にねじってしっかり空へ向け、全身を伸ばす感覚です。頭は力を抜いてリラックスしてOK。背筋、腹直筋、大胸筋が鍛えられます。 

     

    2. リバースプランク 

    小林
    中上級編、続いては「リバースプランク」をご紹介します。 

    初級編1の「プランク」の逆バージョンで、背中の筋肉を効果的に鍛えることができるポーズです。たるんだお腹や胸、太ももの引き締めが目的ですが、背中のインナーマッスルは姿勢の維持に大きく関わっているので、猫背の改善も期待できますよ。 

     

    やり方は、まず仰向けの状態から手のひらを床につけ、上半身を徐々に上げていってください。手のひらはお尻の方向に向けます。頭から足先まで一直線になるように、30秒キープ→30秒インターバル→また30秒キープを3回繰り返し、最後に1分キープして完了です。 

     

    3-3. 全てのポーズに共通して大切なのは・・・ 

    小林
    1つひとつのポーズにポイントはあるのですが、全てのポーズに共通して大切なことは「胸を張る時に肋骨を締める」ということです。 

     

    由良
    肋骨を締める…??というのは、具体的にどんな感じなのでしょうか? 

     

    小林
    少し専門的になってしまうのですが、おへその位置を引き上げながら、力をお腹の中心に集めていくイメージです。よくヨガで胸を開くポーズを行う時に肋骨も一緒に開いてしまう方がいるのですが、これはNGです。↓ 

     

    胸はしっかり張りながら、肋骨はギュッと締める。 

    横から見るとこんな感じですね。

     肋骨が開いている時に横から見るとこんな感じ。違いが分かりますでしょうか? 

    由良

    本当だ、全然違う!(腹筋が美しい……!!) 

     

    小林
    肋骨をしっかり締めながら胸を張ることでバストのトップとアンダーの差が出るので、キレイなバストラインが作れるんです

     

    なかなかそこまで意識したことのある方の方が少ないかもしれませんが、見えないコルセットをお腹に巻いてる想像をすると分かりやすいかも。どのポーズも「胸は張りながら肋骨を締める」という意識を常に持っていただきたいですね。 

     

    3-4. 40代、50代以降の女性へ伝えたいこと 

     

    由良
    最後に、今回のテーマである「40代、50代以降の女性の方々」へ何かメッセージをお願いいたします!  

     

    小林
    ヨガ教室にお越しのお客様の中でも、40、50代になって胸に関するお悩みをお持ちの方がいらっしゃいます。そんな時、ヨガで楽しく体を動かして少しでも前向きになっていただけたら、明るく年齢を重ねていけると思うんです。 

     

    「ヨガってポーズが難しそう」「体が硬いから無理かも……」と思われる方もいらっしゃると思いますが、コツコツ続けていけば必ずできるようになります。何事もそうですが、ヨガも継続が最も大切。まずは初級編を週1回、5分からでも始めていただき、少しずつ効果が実感できるようになるとどんどん楽しくなってくるはず。 

     

    皆さまが健康で前向きに過ごす日常にヨガが役立ちますように! 

     

    由良
    終始爽やかな笑顔でヨガの魅力を解説してくださった小林さん、本日は貴重なお時間を本当にありがとうございました! 

     

    4. 美容整形で垂れた胸が元通り!?美容外科医に直撃取材しました 

    ここまで垂れた胸を自力で何とかしようと試みてきましたが、最終的に頼みの綱としてたどり着くのが「美容整形」ではないでしょうか。医療の力で垂れた胸は元に戻るのか、五本木クリニック美容外科医の中川剛先生にお話を伺いました。 

     

    中川剛(なかがわ・ごう)さん 

    <プロフィール> 

    2000年東邦大学医学部医学科卒業。2005年美容外科医としてデビュー。2014年美容外科学会専門医取得。2021年五本木クリニック勤務。日本美容外科学会専門医、形成外科学会正会員。3児の父。 

     

    4-1. 美容整形でたるんだ胸を復活できるって本当? 

    由良
    胸のたるみを何とかしたいと思った時、最後の手段としてたどり着くのが「美容整形」だと思います。中川先生、単刀直入に、垂れた胸を美容整形で復活させることって可能なのでしょうか? 

     

    中川
    はい、可能です。アプローチの仕方としては大きく2つに分けられるのですが、まず1つ目が乳房吊り上げ術、通称「バストリフト」と呼ばれる方法です。

     

    参考) 

    https://www.biyougeka.com/contents/bust_trouble/breast_lift/

    こちらをご参考に 

    https://www.ritz-cs.com/ope_bust/40detail/ 

    これは下垂してしまったバストを元のラインに戻すバストアップ術で、弛んでしまった皮膚を切除し、縫合することで形を整えます。

     

    弛みが軽度であれば乳輪の円周部分の余分な皮膚を切除するだけで傷は乳輪外周と一致してあまり目立ちませんが、一般的には胸のサイズが大きく、たるみの度合いが重度な場合、乳輪から乳房下縁に向かう直線上の傷が残ることもあります。 

     

    由良
    なるほど、余分な皮膚をカットして胸の形をキレイにするんですね。でもどうしても傷跡は残っちゃうのか……。 

     

    中川
    軽度であれば、傷跡は乳輪の輪郭に沿っているのでほとんど目立ちませんよ。そして、もう1つが豊胸手術です。 

     

    4-2. 美容整形でバストを復活させる方法は2つ

     

    中川
    一言で「豊胸手術」といっても、手法から胸の中に入れる素材の種類まで選択肢は多岐にわたるのですが、今回は主な2種類をご紹介しますね。1つがシリコンバッグの
    挿入、もう1つが自らの脂肪をバストに注入する方法です。
     

     

     

     

    4-3. シリコンバッグ豊胸と脂肪注入豊胸の違い 

    中川
    シリコンバッグ豊胸とは、シリコン製のバッグをバストに挿入する豊胸手術です。全身麻酔で行いますが、手術時間は大体1時間程度で、入院の必要はありません。脇の辺りか、アンダーバストを数センチ切るだけなので、数ヶ月で傷跡は目立たなくなります。 

     

    由良
    入院なしで1時間で終わるならハードルが下がりますね! 

     

    中川
    はい、(最近はドレナージチューブを留置して帰宅する方が術後の拘縮に対して有効という考えが主流になりつつあり、その場合はチューブ抜去後にシャワー浴解禁ですので、シャワーに関しては触れない方が無難かと)痛みも痛み止めを処方ますし、強い痛みは数日〜一週間程度で治まります。

     

    一度の手術で半永久的に効果が続くので安心です。ただ体の中に異物を入れることには変わりないので、人によっては拒否反応が出ることがあります。 例えばシリコンバッグの周りに形成された被膜(ひまく)が厚く硬くなってしまった時は、再手術して取り除く必要が生じることも有ります。(拘縮が生じるのは手技的な原因である場合も有りますが、稀に患者さんの体質が原因の場合も有ります。皮膜除去やバッグの入れ替えを何度か繰り返しても拘縮が生じてしまい、脂肪豊胸に切り替える場合もあるので、「解決」と謳わない方が無難かと) 

     

    またシリコンバッグ注入は、圧迫する力によって豊胸バッグが破損する可能性があるので、乳がん検診によるマンモグラフィが受けられない場合が多いです。そのため、ご家族に乳がん患者がいらっしゃる方にはあまりおすすめしていません。 

     

    次に脂肪注入豊胸は、ご自身のお腹や太ももなどから脂肪細胞を採取し、胸に注入する方法です。こちらも全身麻酔で行い、手術時間はシリコンバッグより長めです。自分の脂肪を別の場所に移す施術なので異物反応もほぼありません。 

     

    由良
    ん?自分のいらない脂肪を胸に入れるってことは、お腹のブヨブヨや太もものお肉がなくなる……ダイエットにもなるってことですか!? 

     

    中川
    おっしゃる通り、痩身目的で脂肪注入を選ばれる方もいらっしゃいますね。 

     

    由良
    余分な腹肉を胸に移してバストアップとか夢のよう……! 

     

    中川
    脂肪注入は吸引する際に管を挿入する5ミリ程度の跡ができますが、数ヶ月でほぼ目立たなくなりますし、部分痩せにもなるので近年は豊胸手術といえば脂肪注入を選ぶ方が多いです。 

     

    デメリットとしては、死んでしまった脂肪細胞が石灰化する可能性があります。石灰化するとレントゲンで白く写るので、乳がんによる石灰化と見分けがつかない恐れがあります。その場合、マンモグラフィや超音波エコー検査、MRIなど複数の検診を併用する必要があります。 

     

    もし1つの検査しか受けられない医療機関の場合、乳がんの発見が難しいため、シリコンバッグ注入と同じく、乳がん罹患経験のある方がご家族にいらっしゃる場合あまり手術をおすすめしていません。 

     

    4-4. バストの下垂に悩む40代以降の女性へ伝えたいこと 

    由良
    最後に、バストケアに悩む女性にアドバイスをお願いできますでしょうか? 

     

    中川
    胸のたるみの最大の原因はクーパー靭帯の断裂なので、自分でどうにかしようとしても限界があります。もちろん最終手段として私たち美容外科に頼っていただくのは歓迎なのですが、まず予防として大切なのは、自分に合ったブラジャーを選ぶことです。 

     

    普段から胸のサイズに合った下着を着けることで、例えばランニング時に胸が揺れてクーパー靭帯が伸びることを防げますし、就寝時も適切なブラジャーでサポートすることで寝返りの際に胸が左右に流れることを防げます。 

     

    もし24時間ブラを着けるのはしんどいという方は、ノンワイヤー製の下着やナイトブラなどもありますので、色々みて相性の良いものを選んでいただきたいですね。 

     

    由良
    中川先生、本日はありがとうございました!  

     

    5. ムジューのノンワイヤーブラの特徴と誕生秘話

    前章の最後で「胸のたるみを防ぐには、自分にピッタリの下着を選ぶことが大切」とお話がありましたが、毎日家事育児仕事に追われながらガチガチのワイヤーブラを着けるのはつらい……。でもノンワイヤーブラだと胸がたれてしまうかも……?

     

    そんな疑問に、ノンワイヤーブラジャー専門ブランド「MUJYU(以下、ムジュー)」デザイナーの内海美千代さんが答えてくださいました。 

     

    内海 美千代(うつみ・みちよ)さん 

    <プロフィール> 

    1959年生まれ。秋田県出身。20歳から大手アパレルメーカーに勤務し、多くのブランドに携わる。30代は子育てをしながらフリーのデザイナーとして、40代後半からは通販業界での企画を主とする。2022年に『MUJYU』を立ち上げる。3児の母。 

     

    5-1. 鏡に映った自分の体にショックを受けて  

    由良
    ノンワイヤーブラはやはり圧倒的にラクなので、わたしも産後の下着は全部ノンワイヤーです。内海さんがノンワイヤーブラ専門のブランドを立ち上げたきっかけを教えてください。 

     

    内海
    一番のきっかけは年齢を重ねた時に感じた”体の変化”ですね。 

     

    元々20歳からアパレルメーカーでデザイナーとしてバリバリ働いていたのですが、結婚と3回の出産を経て、自分が1人の「内海」という人間から、妻・母・会社員・地域の役員・嫁などいくつもの役割を担う存在に変わっていくことを実感していました。 

     

    今でも覚えているのですが、毎日家事・育児・仕事に忙殺されていた時、ふとお風呂上がりにブラジャーとショーツだけの自分の全身が鏡に写っていたんです。胸なのかお腹なのか分からないお肉が3つくらいボンボンボンッとついているその姿を見て、大きなショックを受けました。 

     

    そこから自分の体への意識が高まり、ヨガを始めたり食事にも気を使うようになりました。実際にブランドを立ち上げたのは60代になってからですが、当時のショックが今の仕事の原点になっています。 

     

    由良
    なるほど…!これまで未経験だった下着分野に参入したのはどんなきっかけがあったのですか? 

     

    内海
    きっかけは、年齢を重ねるにつれて大好きだったブランドの下着が似合わなくなってきたことです。体重は変わっていないのに肌質、色、肉感など全てに年齢を感じ、色々新しいものを探しましたが心から気に入るものが見つからず「だったら自分で作ればいいじゃない!」と気付いたんです。

     

    私のような悩みを抱える多くの女性にお届けしたいと思い、挑戦を決めた時の胸の高鳴りは今でもわたしの原動力ですね。 

     

    5-2. ノンワイヤーブラは胸がたれるって本当 

     

    由良
    ノンワイヤーブラはわたしも大好きなのですが、ワイヤーありの下着に比べて胸が垂れやすくなることってあるのでしょうか?  

     

    内海
    いえ、直接的な原因になることはないと思います。胸が垂れる原因っていくつかあるのですが(※1章参照)、そのうちの1つが加齢によるものです。 

     

    年齢を重ねて大胸筋が衰えることでバストが垂れてしまったり、胸を支えるクーパー靭帯と呼ばれる結合組織が授乳や重力で伸びてしまうと元の長さに縮むことはありません。子どものズボンのゴムが一度伸びたら元に戻らないのと同じですね。 

     

    ノンワイヤーブラだからバストが垂れるというよりも、もっと他に要因があるんです。 

     

    由良
    なるほど、ワイヤーの有無より胸をしっかり支えるホールド力が大切なんですね! 

     

    内海
    はい、ムジューのブラは全てノンワイヤーなので心地よく日常使いしてもらえるのですが、同時に胸をしっかり支えるホールド力も多くのユーザーさんからご満足いただいています。 

     

    5-3. 40代、50代以降の女性に伝えたいこと 

    内海
    大人女性向けの下着って、どうしても色味がくすんでいたり、デザインもシンプルだったりあまりワクワク感がないものが多いのですが、ムジューは年齢を問わずお洒落に過ごしたい女性へ向けて作っています。
     

     

    特に見ているだけで気分が上がるニュアンスカラーや、繊細なレース、肌触りの良い生地にはこだわっていますので、是非一度お手にとっていただきたいですね。 

     

    まとめ 

    「まだまだ先だ」と思っていると、あっという間に訪れるのが年齢の波。40代、50代以降に胸が垂れてしまった時、「もうダメだ」と諦めず、自分に合った下着選びやヨガ、筋トレ、最終的には美容整形でハリのある美しいバストを目指していきたいですね!